高金利・資源国通貨として人気
◆ 豪ドルは高金利通貨の代表格 ◆
豪ドル(AUD)はスワップポイントでとても有利な通貨です。オーストラリアは一時、財政赤字に陥っていたことがあり、国債の乱発により金利水準が高まったとされています。
しかし、現在は毎年4~5%の経済成長率を維持していて、失業率も年々低下しています。
また、未だ狂牛病の発生を見ていないことも豪ドルを強くしている一因となっています。
やはりその金利の高さで、豪ドル人気が高まっているといえるでしょう。
また、豪ドルは国内の豊富な天然資源、特に鉱産物の輸出が盛んで資源国通貨ともいわれています。
そのため、BRICsに次いで世界的に注目を集めています。
また、原油高にも強く、原油高が米ドルを押し下げる一方、豪ドルは上昇、などという場面もしばしば見られます。
しかし、あまりにも急激に原油相場が上昇した時には、そちらのほうに投機資金がつぎ込まれてしまうため、豪ドルは若干弱含みになるという傾向もあるようです。
ですから、豪ドルの動向を見る上で原油相場および金や銅などの鉱産物価格の動向も見ておくことが参考になると思います。
ただ、豪ドルは世界的に見て市場規模が小さい(流通量が少ない)ため、比較的値動きが激しい通貨でもあります。
レバレッジを限界までかけておくと思惑と反対に動いた場合には、あっという間にロスカット、ということもないとはいえません。
ですから、相場のよみに自信があれば荒い値動きを利用して短期に利益を稼ぐ、または比較的レバレッジを低くしてスワップポイント狙いに徹する、などの方法が考えられます。
◆ NZドルは豪ドルよりも高金利 ◆
豪ドルの次は、NZドルについて。NZドルはニュージーランドドル(NZD)のことです。
スワップポイントのうまみならNZドルも負けてはいません。
NZドルの政策金利は、なんと豪ドルよりもまだ高い7.25%となっています。
それから、オーストラリアの海を隔ててお隣に位置することもあって、豪ドルの動きに追随することが多いのも特徴です。
ただし、常に豪ドルと同じ動きをするということでもありません。
ニュージーランドは基本的には農産国であり、オーストラリアほどの資源国ではありません。
また、市場規模も小さいため豪ドルよりもさらに乱高下するリスクもあります。
売買には細心の注意が必要となります。
CHECK POINT
国債国が発行する債券で正式には「国庫債券」といいます。
国が投資家から資金を借り入れ、その代わりに発行する「借用証書」のようなもの。
利子が定期的に支払われ、満期日には借入れ金に相当する額面金額が返済されます。
BRICs
経済発展の著しい新興国として注目されている、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の英語頭文字をつなげた造語。
ゴールドマンサックス社が2003年に発行したレポートで初めて用いました。