サブプライム問題ってなに?
最近の相場でサブプライム問題という言葉がよく聞かれますが、これってどういうこと?
簡単にいうと、米国の信用力の低い人向け住宅ローンが焦げ付いているらしいということだが、どう株価や為替につながるのだろうか。
まず、米国の住宅ローンは大きくわけて三つあり、残高は約10兆ドル。
一つは、延滞歴などがない信用力の高い個人向けのプライムで、約8兆ドル。
次が、信用力はサブプライムより高いが、収入証明など借り入れに必要な書類を揃えられない個人事業者向けのオルトAで、約1兆ドル。
で、低所得者や延滞歴のある信用力の低い個人向けがサブプライム、約1兆ドル。
貸し手は、信用力のない人に対して、そのリスクに応じて高い金利を設定しているので、一定のヘッジは行っている訳だし、仮に焦げ付いても貸し手が銀行などなら、被害はその銀行だけになるはず。その数が多ければ、バブル期の住専問題のように、金融不安を引き起こすこともあるかもしれない。
なぜ問題なのか。
サブプライム層の焦げ付きによって、担保の住宅供給が増え、結果として資産価値が下がり、本来影響のないはずの、オルトAやプライム層に波及すると、好調な米国住宅市況が冷え、米国の景気が悪化し、米国発の金融不安のリスクが大きくなる。
米国の不動産バブルは、すでにピークアウトしているという見方もあり、この問題がバブル崩壊の引き金にもなりかねない。
加えて、今回問題を大きくしているのは、本当の貸し手が誰なのかよくわからないことによる不安だ。
直接の貸し手である金融機関は債権を証券化し、世界中の金融機関等に販売している。
報道にあるように、本来、米国内での債権であるはずが、欧州や日本の金融機関でも損失があったことを発表されている。
サブプライムで、損失が発生すると、金融機関を始めとする投資家はリスク資産の圧縮に動くため、株価の下落や円キャリー取引の手仕舞いによる円高に動くという訳だ。
マーケットはこの問題が解決に向かっているのか、新たな損失が発覚し、破綻する金融機関やヘッジファンドがあるのかに非常に敏感になっている状態だ。