高金利通貨のスワップ狙い
最近は円キャリーに代表されるように、高金利通貨の取引に人気がある。
よく差損はスワップでカバーとか、スワップのみ毎月受取とか
数年前にはNZY/JPNを買いっぱなしでOKという手法も流行ったが
ただ以下の点は注意が必要で、高金利のみに着目していると痛い目にあうかも…。
まずは、流動性。高金利通貨はエマージング通貨に多い。
六大通貨と呼ばれるNZYにしても、人口わずか400万人程度の経常赤字国だ。
流通量もわずかだ。ましてや、ランド、クローネ、リラにいたっては…。
万一、通貨暴落が起きた場合、あなたのポジは誰が買ってくれるのか
スワップ金利どころの騒ぎじゃないだろう。
なぜ高金利なのか?いろいろ理由はあるだろうが、単純に考えると金利が高くないと買って貰えないからと言える。
当然、インフレリスクを考えるべきだ。
次に、この金利差は永遠に続くわけではないことも押さえたい。日本の低金利がいつまで続くかという見通し次第だが、金利逆転も考えられるわけで、そうなれば逆にスワップ金利を払い続けることになる。
数年前によく言われた国家破綻などのトンデモ話にはならないにしても、日本の借金総額や今後の人口動態を考えるとき、いつかはインフレにならざるを得ないと思う。
それまでに、キャピタルロスがあってもスワップ金利で、少なくとも元本回収できていれば問題ないが、そうでなければ…。
よくある長期スワップ狙い戦略の例
USD/JPN$=120円、$100000、レバレッジ10倍、スワップ160円の場合
為替損益は考慮しない
単利の場合
経過年数 元本 スワップ 合計 %
1 1200000 584000 1784000 148.7
2 1784000 584000 2368000 197.3
3 2368000 584000 2952000 246
4 2952000 584000 3536000 294.7
5 3536000 584000 4120000 343.3
複利の場合
経過年数 元本 スワップ 合計 %
1 1200000 584000 1784000 148.7
2 1784000 868000 2652000 221
3 2652000 1290000 3942000 328.5
4 3942000 1918000 5860000 488.3
5 5860000 2851000 8711000 725.9
まあ、これはやりすぎだが、現実的に考えて、単利で資金効率半分(実質レバ5倍)と考えても5年で、1.7倍!$=79円の史上最高値でも耐えられる計算にはなる。
5年続くといいのだが…。
注 この記事は2007.07に書いたものです。文中の数値等は現在と異なります。