■2007年7月17日
◆ 為替相場を動かす根本的な要因 ◆
ここでは根本的に為替相場を動かす要因について考えてみたいと思います。為替相場の変動要因は、「思惑」や「観測」と「実需筋」に集約されると思います。
売買している参加者は、いろいろな理由で「相場が上がるだろう」あるいは「相場が下がるだろう」と考え、常に利益を得たいと考えています。
その総意が「思惑」です。
この思惑の「もと」となっているのは、経済指標や国際情勢、政治の動向です。
例えば、「人民元切り上げにまつわる思惑により円が買われた」「米国の利上げ継続観測により、ドルが買われた」との報道が出たとします。
これは、それぞれの各国の政治動向により市場の参加者が想像した「観測」であり「思惑」なのです。
消費者物価指数が上昇すれば利上げ観測が出る、などというように「観測」や「思惑」にはある程度の法則性があり、それがわかればかなり相場分析がしやすくなると思います。
◆ 為替相場に影響する実需関係 ◆
輸入企業や輸出企業の売買の「実需筋」は為替相場を動かすもう一つの要素。需要筋と呼ばれる業者は、為替変動によって収益を得ようという目的で売買を行なっているわけではないため、目先の相場の方向性にあまり影響を与えないで、淡々と取引をすることに特徴があります。
輸出企業は製品を輸出した代金を海外通貨で受け取り、それを日本円に換金する必要があります。
一方、輸入企業は、海外から製品を仕入れる際に支払うために日本円を売り、海外の通貨を調達します。
貿易における代金の支払いは、基本的にドルで行われています。
このドルを企業では給料等の支払いのため、一旦日本円に換えなくてはなりません。
このとき、「大量のドルが売られ、日本円が買われる」という動きが起こります。
すると結果的に大量に買われた日本円の価値があがり、円高が起こるわけです。
企業が行う支払いですから、多額の通貨が動くことになります。
このように日本の輸出企業の業績等による実需筋の動向は、為替相場を大きく変動させる要因となるのです。
CHECK POINT
利上げ継続観測将来にわたって政策金利の小幅な利上げが継続するという思惑。
そのような思惑が続いている間はその通貨が買われやすくなるため上昇要因となります。
ごとおび
5日・10日・15日・20日・・・と、5または10がつく日のこと。
企業の支払いが集中する日。
ごとおびは決済日となることが多いので国際的決済通貨であるドルの需要が高まる場合もあり、そのことがドル高要因となりうるのです。