■2007年7月17日
◆ スワップポイント ◆
外貨預金や外為取引(FX)が注目される理由のひとつにスワップポイントがあります。日本の超低金利が、この恩恵をいっそう強めることになっているのです。
スワップ(Swap)とは、「交換」という意味です。
スワップポイントとは、「買っている外貨(または売っている外貨)に対して付く金利から、日本円の金利を引いた差額」のことです。
要は金利の低い通貨を売り、それより金利の高い通貨を買うと受け取れる金利の差額です。
例えば、円を売って1万ドルを買ったとしましょう。
外為取引(FX)では、売った通貨の金利を1日ごとに支払わなくてはなりませんが、逆に買った通貨の金利を1日ごとに受け取ることができます。
仮に、米国の金利5.0%、また日本の金利を1.0%だとしましょう。
その場合には5.0-1.0=4.0%がスワップポイントということになります。
このとき受け取れるスワップ金利は、通常の外貨預金の場合と違い、レバレッジを利かせて運用している金額の外貨に対して付きますので、たとえば十倍のレバレッジを利かせて外貨を運用していれば、十倍の金利が受け取れるわけです。
無論、そこから日本円の金利を差し引きしなくてはなりませんが、日本円の金利は超低金利なので、おのずと利益は大きなものとなるでしょう。
仮に日本円の金利がドルの金利を上回った場合は、FXで10万ドルを持つと、逆に「10万ドルの金利差(スワップ金利)の分だけマイナスが出る」ということになります。
ただし、ご存知の通り日本は超低金利時代がいつまでも続いていますので、外貨よりも金利が上回ることは当分ありえないでしょう。
外貨を買う分に関しては、スワップ金利は常に「加算されるもの」としてとらえてよいでしょう。
ドルと円の間で、1万ドルあたり140円のスワップ金利がついている時には、1万ドルの買いポジションを持っているだけで1日140円の金利が土・日関係なく自動的に口座に加算されることになります。
◆ スワップポイントを支払う場合も ◆
金利の高い外貨を買っているときに自動的に得られるスワップ金利ですが、「売りポジション」で金利の高い外貨を売っているときには、逆にこのスワップ金利を支払わなくてはなりません。今の日本の金利が外貨と比べて高くなることはなかなか起こりそうにありませんので、外貨を売りポジションで持っている限り、常にスワップポイントを支払い続けなくてはならないことになります。
私たちが実際受け取れるスワップポイントは利用する外為業者によって違いますので、各社のウェブサイトなどでチェックしてください。
さて、このように金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買って資産運用することをキャリートレードといいます。
日本人投資家はもとより、海外のヘッジファンドなどもこの手法を用いています。
私たちは、この超低金利にすっかり慣らされてしまいましたが、こんなに低金利の国は、他にそうそう見当たるものではないのです。
現在のところまだ日本のゼロ金利政策は継続しそうなので、スワップポイント狙いの取引はいまのところおすすめです。
CHECK POINT
キャリートレード一般的には、金利の低い通貨を売って資金調達し、金利の高い通貨で資産運用すること。
例えば、円を売ってドルを買ったり、ドル建て金融商品(米国の株や債券など)で運用すること。
ヘッジファンド
少数の投資家から大規模な資金を集めて運用する投資団体。
ヘッジとは「回避する」という意味で、為替等の変動リスクを回避することを指します。
ヘッジファンドはもともと、相場動向をみながら、売りからも買いからも収益を挙げることを目指しているため、このように呼ばれています。