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失敗しないFX業者の選び方

数ある外為業者の中から、どこに口座を開けばよいのでしょうか。
FX業者比較サイトは数多くありますが、業者と提携しているところも多いとも聞きますし、ここは管理人が、独断と偏見で、選択のポイントと具体的な業者名をお伝えします。
2007.09.18現在

まず、選択のポイントですが、
1. 相対取引か取引所取引か
2. 手数料
3. スプレッドコストとスリッページ
4. スワップ金利
5. 業者リスク(分別保管と信託保全)
6. カバー先
7. 約定能力
8. 電話取引と携帯取引
9. 値洗いの有無
10. 最低取引単位
11. レバレッジ
12. ロスカットレベル
13. 取り扱い通貨
14. 情報量

概ね、このくらいことを押さえておけば間違いないでしょう。
最初に断っておきますが、トレードスタイルなどによって、最適な業者は異なりますので、万人に適した業者というのはありません。
資金管理上からも、トレードスタイル毎に、別口座を使い分けるのもよいでしょう。

参考にいくつかのおススメ業者も紹介しますが、投資は自己責任の世界です。
デモ口座で確かめてみたり、実際に口座を開いて使い勝手を確認しましょう。

特に、約定能力については、サーバーの増強や顧客数の増減により、変化していくので他の条件は気に入っているんだけど、約定能力がいまいちといった業者は定期的にチェックしてみるとよいでしょう。

1.相対取引か取引所取引か

業者と相対で取引する場合と取引所(くりっく365)を通して取引する場合の二つがあります。
現時点では、相対業者での取引が9割を占めていると言われています。
大きなの違いは、税制面の違いです。
税率は、相対は雑所得扱いで0~50%、取引所は申告分離で20%です。
損失繰越ができるなど税制面での取り扱いが異なりますので、確認が必要です。
また、資産の保全という点でも、取引所取引の場合は、取引所にて法的にも守られていますので業者リスクはありません。

相対の場合、さらにIBとPRCに分けられます。
IB(Introducing Broker)は、自らは取引の受け手とならない仲介業者で、顧客と直接取引することはありません。
Inter Bankではありませんので念のため。
海外業者の日本代理店の形態をとることが多くなっています。

もう一方のPRC(Principal)は、顧客と直接外国為替取引契約を締結し、FX取引の当事者となる会社のことを言い、殆んどの日本の業者はこの形をとっています。

通常の取引では、どちらの形でも問題はありませんが、FX業者が破綻した場合、IBは取引を継続できる可能性がありますが、PRCではありません。
一方で、PRCでは独自のシステム改善など顧客の要望に応えてくれる可能性があります。


2.手数料

手数料は当然低ければ低いほど、有利になります。
最近では、手数料無料の業者も数多くあり、高いところでも500円(10000通貨)程度です。
では、手数料無料の業者で決まりかというとそうでもなく、スワップ狙いで売買回数が少ない場合は、スワップの有利な業者のほうがトータルではプラスになることもあるし、資産保全の点からも、手数料ありの業者を選択することもあり得ます。
また、デイトレ無料とか指値無料といった業者、商品もあります。


3.スプレッドコストとスリッページ

スプレッドコストは売りと買いの価格の差です。
通貨ごとに、スプレッドは異なります。
メジャー通貨は小さく、マイナー通貨は大きくなる傾向があります。
この差が小さいほど取引には有利になります。
USD/JPYでいうと、0~5Pips程度が、一般的です。
ちなみに、0の業者は手数料がかかります。
また、スプレッドは固定ではなく、変動するのが一般的です。
指標時など、価格が大きく動くときはスプレッドは広がります。

次に、スリッページですが、簡単にいうと、自分の思った価格から数Pipsずれて、約定することをいいます。トレーダーにとっては有利にも不利にもずれます。
例えば、成行でレート表に表示している価格でポジションを取ろうとしたとき、通信のタイムラグ等で表示の価格とは異なる価格で約定します。特に、指標時など価格が大きく動く場面では、10Pips以上のスリッページが発生することもあります。
許容できるスリッページ幅が設定でき、それを超える場合はレートの再提示がありますが、設定した幅が小さいと再提示の連続となり、結局思ったレートではポジションがとれないケースもままあります。
結局、2の手数料とスプレッド、スリッページと併せて、売買コストになるのでどれかひとつが有利でも、トータルでは不利ということがあるので注意しましょう。


4. スワップ金利

FX取引の大きな魅力として、スワップ金利があります。
異なる通貨間での金利差を日々受払いします。
買いで受け取ることになることもあれば、売りで受け取ることもあります。
スワップ金利は日々変わりますし、業者によっても異なります。
本来であれば、買いと売りは同値であるはずなのですが、差があるケースが殆んどです。
くりっく365については、同値になっています。

スワップ派にとっては大いに気になるスワップ金利ですが、今現在、最もよい金利を提示している業者が今後もベストかと言えばそうでもありません。
スワップ派は取引回数が少ないゆえ、業者にとっては儲かるお客さんではないので、スワップを目玉にして集客を考える業者はあまりないようですが、ある程度の期間を見て、高めの業者を選ぶとよいでしょう。

また、スワップが確定するタイミングですが、日々口座に反映する場合と、ポジションの決済時に反映する場合があり、スワップには限りませんが、含み益でポジションが建てられるかの違いもあります。
税制面や複利での投資を考える場合は、確認が必要です。


5業者リスク(分別保管と信託保全)

命の次に大事なお金を預ける業者ですから、資産保全の問題は大切なことです。
せっかく取引で儲けたとしても、その資産が帰ってこなくなるような事態は避けなくてはなりません。
FXの黎明期には、詐欺的業者が跋扈し被害者が続出しましたが、現在では、一定の法整備により詐欺的業者はほぼ壊滅したようです。
では、まともな業者だとしても倒産した場合はどうなるのでしょう。
最近ではレフコ問題もありましたが…。

顧客資産の管理方法として、分別保管と信託保全があります。
分別保管は、業者固有の財産と顧客資産は別に管理しているよというだけで、万が一業者やカバー先が破綻した場合は一般債権者と何ら変わることはありません。
債権額の割合に応じて清算時に弁済されるだけで、多くても2~3割でしょう。
債務超過の場合は当然ながら一円も返ってきません。

信託保全は、信託法の元、制度として法制化されています。
その制度の主な内容は、委託者(FX業者)が受託者(主に信託銀行)に財産権を引き渡し、信託目的に従い、受益者(顧客)のために、受託者がその財産を管理・処分するというものです。
信託の制度下では信託財産は委託者および受託者の倒産の影響を受けません。
また、同じ信託保全でも、全額なのか一部なのか、顧客資産の引渡しが毎日なのか特定の日(週末、月末など)なのかも確認したほうがよいでしょう。
万が一の場合ですので、細かい部分にそれほど神経質になることもないのかもしれませんが、不明な点はあらかじめ業者に問い合わせておくほうが賢明です。

また、破綻した場合、資金が返ってくるにしても、含み損を抱えたポジションも決済する可能性があるので、長期でのトレーダーは資産保全のほかに業者リスクも考える必要があります。
絶対ではありませんが、上場企業かどうかを目安にするのもひとつです。
最近、信託保全を謳う業者が実は信託していなかったというケースが発覚しました。故意か手違いかはわかりませんが、信託保全の業者が破綻したケースはまだないので、信頼性100%とは言い切れません。


6.カバー先

FX業者にオーダーを出した場合、FX業者は為替市場で直接取引ができないので、カバー先の金融機関を通して、為替市場で売買を行います。
カバー先の信用リスクも当然ありますので、ウェブサイトなどで一応の確認はしましょう。
また、カバー先が一社の場合と複数のカバー先と契約している場合があります。
大量のオーダーを捌く場合は、一社で対応しきれないケースもありますし、業者によっては、複数のカバー先のうち最も有利なレートを顧客に提示すると謳っているところもあるので、リスク分散の観点からも複数のカバー先がある業者のほうがいいように思います。


7.約定能力

ほとんどの場合、ネットでの取引が主になると思いますので、ここではサーバーの処理能力といってもいいでしょう。
スワップ派には、あまり関係ありませんが、デイトレ派、スキャル派は特に注意が必要です。
では、約定能力が低いとは具体的にどのようなケースで、どのような問題があるのでしょうか。
重要指標の発表時に多いのですが、

・サーバーダウンにより、注文の執行が全くできない
新規注文はもちろん、注文済みの指値も執行されない場合があります。業者によっては、指値については保障するところもあるようですが、自己申告による手続きが必要なようです。
サーバーダウン時でも、携帯では取引できる場合もありますし、電話にてオーダーできるところもあります。
業者のサーバーに問題がなくても、停電や顧客側の回線の問題でネット取引できないケースもありますので、ネット以外の取引方法の有無も確認が必要です。

・サーバーの過負荷により、注文が執行されにくい
オーダーしようとクリックしても、注文がすぐには通らず約定まで数十秒、長い時は数分かかる場合があります。
当然その間にもレートは動いていますので、レートの再提示となり、結局、思ったレートでの売買はできなくなります。オーダーが通らないので何度もクリックしていると、思わぬ数量のポジションが約定していたというケースもあるようです。

顧客に損害が発生しても、業者はサーバートラブルは免責としています。


8.電話取引と携帯取引

ネット取引がメインだとしても、携帯サイトや電話でも取引できる業者のほうがよいでしょう。
携帯サイト取引は、チャートが見にくいなどの欠点はあるものの、外出先(場合によっては職場?)から取引ができます。
業者によっては、指定したレートに達するとメール配信してくれるサービスもあり、タイミングを逃さない取引が可能です。
7.約定能力の項でも書きましたが、サーバーダウンやネット環境の不具合にも対処できるので、携帯サイト、電話取引が可能な業者のほうがリスクヘッジできます。

とはいうものの、専業トレーダーでもなければ、日々刻々為替レートが気になる生活というのもいかがなものかとも思いますので、レートチェックの少ないトレードスタイルにすれば、あまり関係ないような気もしますし、むしろ、そちらのほうが健康的かも…。


9.値洗いの有無

値洗いの有無は、課税関係に大きく影響してきます。
値洗いありの場合は、日々ロールオーバー時の時価で精算し、スワップも含め実現損益となります。
また、いくらのレートでポジションを持ったのかわかりにくいのも欠点です。

一方、値洗いなしの場合は、ロールオーバー時でも精算せず、含み損益となります。
スワップについては、日々精算するものと、決済時に精算するものがあります。

外為.comの任意のタイミングで任意の額のスワップを受け取ることができる機能はなかなか便利です。

また、含み益で新たなポジションが持てるのどうかも、業者によって異なりますので確認が必要です。

実際の課税関係については、取引業者に確認してください。


10.最低取引単位

10000通貨からの取引が多いようですが、100000通貨もあれば、1000通貨もあります。
取引単位が大きい業者は、概ね、スプレッドが小さかったり、信託保全になっていたりします。

初心者のうちは、1000通貨単位の業者で、練習がてら取引をしてみるのもよいでしょう。
1000通貨であれば、100Pips動いても、損益は1000円ですから…。

また、手数料無料の業者でも、一定数量以下の取引には、ミニマムチャージがかかるところもあります。


11.レバレッジ

レバレッジは、少ない資金で大きな取引ができるFXの大きな魅力のひとつです。
大きくすればするほど、ハイリスクハイリターンになります。
管理人の知る限りでは1~400倍までありますが、10,20,50.100といったところが多いようです。
ポジション毎に、レバレッジを選択できる業者もありますが、資金コントロールは実質レバレッジで考えますので、あまり意味はないような気がします。
レバレッジについては別項レバレッジのよくある勘違いも参照してください。
400倍の業者には、CMSがあります。

レバレッジに関連して、必要証拠金の計算方法も二通りあります。
ひとつは、レートとレバレッジの関係で決まるケースで、価格が100円の通貨を10000通貨取引する場合、レバ10なら100000円、レバ100なら10000円が必要証拠金なります。
もう一つは、レートに関係なく10000通貨当りの必要証拠金が定額で決まっているケースで、証拠金20000円が定額だとすると、100円の通貨はレバ50、200円の通貨はレバ100になります。
どちらの方法でも大差はありませんが、定額のほうが幾分わかりやすいような気もします。


12.ロスカットレベル

ロスカットとは、損失の拡大により強制決済を行う仕組みで、あなたを追証から守ってくれます。ロスカットレベルは、有効証拠金の何%を下回ったら、ロスカットするかというレベルのことです。
業者によっては、マージンコールとするところもあるようですが、ここでは、マージンコールは、ロスカット前の一定レベルでの警告と定義します。
レベル固定が一般的ですが、自身で選択できる業者もあります。
誰しもロスカットには遭いたくないものですし、それ以前にストップを入れておくべきなのですが、トレードスタイルによってはレバレッジと併せて大きな影響があるかもしれません。
例えば、価格=100円、買い10000通貨、レバ10、有効証拠金100000円のケースでレバ10なので、必要証拠金=有効証拠金で100000円。
LCレベル100ならば、ポジション取った瞬間にLC。100000円残る。(現実ではあり得ません)
LC50ならば、95円になった時点でLC。50000円残る。
LC20ならば、92円になった時点でLC。20000円残る。
ということになります。
ロスカットレベルが低いほど、ロスカットには遭いにくくなります。


13.取り扱い通貨

FX業者によって、売買できる通貨種類、通貨ペアは大きく異なります。
一般的には、20種類程度のところが多く、このくらいで問題はないと思います。

少ないのは、くりっく365参加業者で、7種類しかなく、すべてクロス円になります。
複数の通貨ペアを組み合わせてポートフォリオ組もうとする場合は向きません。

多いほうでは、SAXO系の業者で、約150種類の通貨ペアがあります。
流動性リスクを踏まえた上で、高金利のマイナー通貨を取引したい場合は、こちらの選択になります。

スプレッドも、業者により特色がありますので、取引したい通貨のスプレッドを確認してみましょう。


14.情報量

テクニカル面では、チャートの種類、インディケーターの種類など分析ツール、
ファンダメンタル面では、為替や経済に関するニュース速報、
アナリストの分析や今後の相場動向など、業者によって様々な情報が提供されます。
殆んどは無料ですが、有料で高度なツールを提供しているところもあります。

では、情報量が多ければ多いほどよいかというとそうでもなく、テクニカルの種類により、反対のシグナルになることは当然ですし、アナリスト分析などでは正反対の見解だったり、情報の取捨選択に迷うことになります。


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